「醬肉(じゃんろう)」とは、甜面醤と塩・唐辛子を漬け込んで干した豚肉のことで、冬の間に作られる保存食です。街のあちらこちらで腸詰めと共に干してあるのは、四川の冬の風物詩です。これに蒸した娃娃菜(ミニ白菜)を合わせたのが「醬肉蒸娃娃菜」です。醬肉は、8世紀の唐の時代に活躍した中国詩歌史上最高の詩人・李白が「お酒のあてにぴったり!」と好んだことから、「太白醬肉」と呼ばれることもあります。(「太白」は、李白の愛称です)
「酒仙」とも呼ばれていた李白は大のお酒好きで、同じく最高の詩人と称される同時代の詩人・杜甫ともよく飲み交わしていました。中唐初めの酒豪8人のことを謳った杜甫の詩『飲中八仙歌』では、「李白一斗詩百篇」と書かれています。これは、「李白は一斗のお酒を飲みながら100篇もの詩を作ってしまう」という意味で、詩人としてだけでなく、酒好きとしての李白の凄さを表現した一篇です。
伝統四川料理を今に伝える成都・松雲門派の正統な継承者であるシェフ井桁良樹が日本人が知らない本当の四川料理を提供します。この記事を見て飄香に興味を持った方は、以下のコンテンツでより詳しく私たちについてご覧いただけます。