四川料理大辞典
中国4千年の歴史を受け継ぐ
正統派四川料理の魅力

あっさりふわふわの豆腐料理『干貝腐淖(ガンベイフゥナオ)』

この料理は四川の豆腐料理で、裏ごした豆腐に干し貝柱のエキスを吸わせ、卵白を加えてふわふわに炒めたものです。『色泽洁白·质地滑嫩·干贝鲜香·淡白爽口』色艶が良く/純白で滑らかで柔らかく/貝柱の鮮明な香り/淡白であっさりしているのが特徴と言われています。

四川料理の24の味付けのなかでもっとも多い、咸鮮味型(塩味をベースに素材の旨味と風味を引き出した味付け)のひとつ。伝統四川料理の宴席にはこのようなあっさりとした料理が多くあり、おなじ豆腐料理でも麻婆豆腐とは対極的な味付けです。干貝腐淖に似た料理で、鶏肉を包丁でペースト状にし、同じくふわふわに炒めた『雪花鶏淖(シュエファジィナオ)』は「吃鶏不見吃(鶏肉を食べても鶏肉が見えない)」と言われ、以前に四川料理大辞典でご紹介した『芙蓉鶏片(フゥロンジィピェン)』と並ぶ代表的な伝統四川料理でもあります。宴席で辛い料理の間にあっさりした味わいのひと皿が入ると、コースの流れに強弱が生まれ、それぞれの料理がより一層引き立ちます。

この料理の周りに使っているお野菜はつぼみ菜という芥子菜の変種です。日本では福岡県で品種開発され、平成19年から市場での販売が始まった新しい野菜ですが、四川省では児菜(アールツァイ)と呼ばれ、昔から人気の春野菜です。四川省は芥子菜の産地でもあり、変種のものもいくつかあります。例えば芥子菜の茎が肥大したものがあり、それを漬けたものが日本でお馴染みのザーサイです。他には、茎が30cm以上の長い棒状になる芥子菜を「棒菜(バンツァイ)」と呼び、四川の家庭料理ではよく使われています。こちらはまだ日本では品種改良されていません。芥子菜ひとつとっても風土気候によって形や味わいが異なり調理法も様々。野菜って面白いですね。興味が尽きません。

 

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