飄香名菜譜
中国4千年の歴史を受け継ぐ
正統派四川料理の魅力

フェンネルを丸ごと使った春の前菜【翡翠】

【翡翠】茴香蚕豆扇貝面

『茴香蚕豆(ホイシャンツァンドウ)』は、そら豆と同じ時期に出回るフェンネルを組み合わせた四川料理です。

『茴香豆』と言えば、魯迅の短編小説『孔乙己(コンイーチー)』に登場する紹興酒の肴、

あるいは上海で有名な八角で香り付けされた煮豆をイメージする方もいらっしゃるかと思います。

中国語では大茴香は「八角」、小茴香は「フェンネル」とされますが、

四川省では生のフェンネルの葉とそら豆を炒めたものが『茴香蚕豆』、

レストランでは春の前菜の一品として提供されます。

今回ご紹介する料理【翡翠】は、フェンネルを丸ごと使います。

まず、株元(白い部分)は泡菜(四川ピクルス)にして、鶏とアサリとともに出汁をとり、

緑の茎の部分をピューレ状にしたものと合わせて翡翠色のソースを作ります。

このソースをホタテのすり身で作った麺にかけ、

フェンネルの葉とそら豆を炒めたもの(茴香蚕豆)を乗せて完成です。
 

この時期ならではの風味と彩で、パスタのように仕立てた、飄香の春の一品です。

 

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