飄香名菜譜
中国4千年の歴史を受け継ぐ
正統派四川料理の魅力

中国の定番調味料、醪糟(ラオザオ)

「糟醉冬笋(竹の子の四川甘酒漬け)」は四川名菜の冷菜の1つで、竹の子を「醪糟(ラオザオ)」という調味料で蒸した料理です。味付けは「香糟味」で、塩味と旨味の後のふくよかな甘い香りが特徴です。香糟味は言うまでもなく、四川料理の24の味付けの1つです。

香り高く若干の酸味を感じる醪糟はもち米を発酵させた調味料で、日本の甘酒にも少し似ています。中国ではポピュラーで、地方によって「酒醸」「糯米甜酒」「伏汁酒」と呼び方が異なりますが、すべて基本的には同じです。

甘酒と同様に、醪糟もそのまま飲むことができますが、「粉子醪糟(白玉粉を甘いシロップに醪糟で香りづけたもの)」や「酔豆花(豆花を甘いシロップに醪糟で香りづけたもの)」、四川料理における豚の角煮や魚の煮物など、調味料として使われることが一般的です。

この醪糟自体を作るために、「酒药・酒曲」と呼ばれる麹を使います。四川の伝統的な酒药は、大米粉(米粉)と马蓼(ハルタデ)・马鞭草(クマツヅラ)・桑叶(クワの葉)・马齿苋(スペリヒコ)の四種の薬草など発酵させて作られます。

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