四川古典料理の一つ『神仙鴨子(シェンシャンヤーズ 鴨の柔らか煮)』。四川では老人を老神仙(ラオシェンシャン)と仰ぎ、「老人でも柔らかく食せる」という意味をもつ料理です。
四川では麻鴨(マーヤー)と呼ばれる小さめの鴨がよく使われています。鴨を高温の油で揚げて(高温で揚げると煮崩れも防げます!)香ばしさを出し、これを晒しに巻いて特製の煮汁でゆっくり6時間、低温で煮込んでいきます。晒しで巻くと柔らかくなった鴨でも容易に取り出すことができるのです。
鴨と一緒に煮込むのは、金華ハム(もしくは雲南ハム)と干し竹の子、そして口磨(コウモウ)と呼ばれる中国市場で最も高価と言われるキノコです。このキノコはモンゴル草原の標高600m〜1800m、羊が生育している環境に生息すると言われる野生のキノコ(日本語名はモウコシメジ)です。乾燥させると独特の香りがあると言われいます。希少価値が高く入手困難なため、今回は四川省産のポルチーニ茸を使用しております。
6時間煮た煮汁は濃厚でいながら爽やかでふくよかな香り。その煮汁を少し煮詰め、とろみをつけてソースにします。箸でも簡単にほぐれるほど柔らかく煮た鴨料理。白酒を飲みながらゆっくり食したい逸品です。
伝統四川料理を今に伝える成都・松雲門派の正統な継承者であるシェフ井桁良樹が日本人が知らない本当の四川料理を提供します。この記事を見て飄香に興味を持った方は、以下のコンテンツでより詳しく私たちについてご覧いただけます。